2012.06.14 17:37

子どもと自然をつなぐ人材養成講座 24日に堺で

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記者:喜多元哉

自然を通して多様な価値観があることや、他人への思いやりを子どもたちに伝える人材を育てる「スクールインタープリーター養成入門講座」が24日、堺市立栂文化会館で開かれる。一般社団法人インタープリテーションネットワークジャパン(IPNET-J)=大阪府箕面市=の主催。受講者を募集しており、18歳以上なら誰でも参加できる。同講座はIPNET-Jが「環境教育推進法」にもとづき環境大臣・文部科学大臣に登録している事業。小学校の授業などで、自然と子どもたちとの“通訳”として「環境教育」を行える指導者を養成している。

 講座当日は、指導者として自分たちが伝えたいテーマを設定し、校庭や身近な自然を活用してできるプログラムを作成していく。「授業を通して植物の名前を多く覚えてもらうのが目的ではありません。生き物や友だちを大切にすると、自然を守ることにもつながることを子どもたちに伝えられる人を養成したいです」とIPNET-Jの総括研究員で代表理事の本多孝さんは話す。



たとえば、小学校の生活科や理科の時間に「くすの木の持つ意味」について考えてもらうプログラムを作成する場合、子どもたちからは「鳥が休むことができる」「街の景色が良くなる」との意見が出てくることが想定できる。そのような考えをめぐらして「1本の木にも多くの見方ができる。1つの見方が正しいのではなく、多くの考えがあることに早い年齢から気付いてほしい。そして多様な価値観があることを伝えたい」。講師として活動する本多さんは子どもたちへの思いを強調する。

 ほかにも表現力と思考力を高めることを目的として、校庭にある落ち葉や木などから、「グー・チョキ・パー」を見つけてじゃんけんをしたり、自然の中で友だちのためにきれいな葉っぱを見つけて手紙を書いて、他人への思いやりを育むプログラムなどもある。全国でこれまでに1000人がこの講座を受講しており、今年度も全国20カ所で開講予定だ。

 今月24日に開催される講座の定員は15人、申し込み締め切りは同17日まで。参加費9000円(テキスト代)。

 問い合わせと申し込みはインタープリテーションネットワークジャパンのウェブサイトへ


(取材後記)
 「あそこの木から右はファールだからな」。ふと小学校の休み時間、野球をしたことを思い出しました。大きく伸びた木は僕たちにとってはヒットかファールを見極める木であり、他の人にとっては木陰で休んだ思い出があるのかもしれない。一本の街路樹でも「街の景観を良くする」「信号を見えやすくする」などの思いを込めて配置していることを知ると、目の前の木に感謝するんですね。紹介した講座はそんな木や土地に込められた思いや歴史を伝えることで自然の大切さを子どもたちに伝える講座です。




(取材:学生通信社 関西大学 喜多元哉)

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記者プロフィール

喜多元哉

喜多元哉

役職 : 元事務局リーダー
卒業 : 関西大学人間健康
出身地 : 兵庫県神戸市
誕生日 : 1991年4月25日
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