2012.07.11 16:25

顧客重視のケーキ作り

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

記者:飯尾良太

マツヒサは、大阪府南部に大型洋菓子店「リバージュ」を4店舗展開している。創業41年の同社が大切にしていることは、初心を忘れないこと。ケーキ作りの基本を守り、素材のおいしさを最大限に生かす。「基本を守り続けている店は、お客さまに愛され長続きしている。生産性だけを重視した考えは、お客さまの心をつかむことができず店は続かない。お客さまの気持ちをくみ取り、どうすれば喜んでいただけるかを考え実行することが重要」と苅田里美社長(49)は話す。苅田社長は年に数回、短大で学生に向けて講義を行っている。携帯電話を3日間持たない生活を想像してもらい、コミュニケーションには何が必要かを考えてもらう。「携帯電話がないと不安になる」「そんな生活は考えられない」と考える学生は、電話やメールを奪われただけでつながり合うのが困難なように思えてしまう。「電話やメールは相手の表情が読み取れない。直接会って話すことで初めて相手の表情が分かり、気持ちをくみ取ることができる」(苅田社長)。

 同社が今年採用した社員は6人で、来年度は、7~10人程度(パティシエ7、接客スタッフ3の割合)の採用を予定。求めるのは真心を持って仕事に取り組める人で、「お客さまにおいしいケーキを提供するには、技術だけでは足りない。お客さまに喜んでもらいたいという思いが重なって、初めておいしいケーキが提供できる」とし、技術だけでなく顧客のことを考えて仕事ができるように教育している。

 苅田社長は「夢を持ってほしい。10年後、20年後のビジョンを明確にして目標を立てる。充実した人生を歩むために、自分の人生を真剣に考えてほしい」と学生の変化に期待を寄せる。

 (ビジュアルアーツ専門学校 飯尾良太)

ギャラリー

記者プロフィール

飯尾良太

飯尾良太

役職 : 報道部
卒業 : ビジュアルアーツ専門学校マスコミ編集学科
出身地 : 滋賀県彦根市
誕生日 : 1987年3月8日
  • Facebook
  • Blog
  • Twitter

取材記事

ページの先頭へ戻る