「中央電機計器製作所は、世界一のものづくりを行う会社だと言われたい」。畑野吉雄会長(65)は自身の夢を話す。
世界を目指すため、同社は海外展開に積極的だ。アメリカや中国、韓国のほかに、ヨーロッパや東南アジアにも製品の販路は広がりをみせる
1930年の創業以来、数多くの計測制御システムや試験機を作り続けてきた。自社内でシステムの製造や開発をすべて行うことのできる企業は世界的にも珍しい。現在では金属やプラスチック加工品の寸法測定を簡単に行うことのできる画像検査システムや最新鋭のジェット機「ボーイング787」の試験機など、製品は多岐にわたる。
畑野会長は「借り物の言葉でなく、自分の言葉で世界中の人に自身の夢や考えを語ることのできる人に来てほしい」と話す。関西圏の複数の大学で客員講師を務めている畑野会長は、学生の多くは緊張から紋切り型の受け答えをするために個性があまり見えてこないと感じており、同社では敬語を強要しない面接試験を行っている。
月1回社員45人で懇親会を開くほか、女性社員がそれぞれ好きなケーキを持ち寄って「お茶をする」ことも定期開催するなど、コミュニケーションを重視。「企業訪問の際に、社内の雰囲気に共感したため、当社を志望しました」というほど社員同士の仲の良い雰囲気が社内にあふれている。
同社は毎年約5人を採用。「企業は人と人との関係によって成り立つ。だからこそ、一期一会という言葉を大切にしている」と話す畑野会長は、海外に積極的に出て行くことで、人とのネットワークをつくることを勧める。
(関西学院大学 橋本翔一朗)
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