2014.04.25 21:10

エコ・ファースト企業9社、繁殖する外来魚を駆逐

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記者:腰山夏未

関西に本社を置くエコ・ファースト認定企業9社の集まりである「エコ・ファーストin関西」が9月7日、琵琶湖の生態系保全活動として外来魚を駆除するボランティア活動を琵琶湖で開催した。琵琶湖で起きている外来魚問題を一人でも多くの人に知ってもらうのが狙い。開始直前まで雨が降っていたが、当日は社員やその家族総勢197人(うち子ども50人)が参加した。75分という短い時間だったが全部で581匹19.8kgもの外来魚が釣れた。


琵琶湖ではブラックバスやブルーギルなどの外来魚が食料用として持ち込まれたり、ルアー釣りの目的で密放流されたりしたことが原因で、1983年から1993年にかけて大繁殖した。2006年の外来魚の推定生息量は1920トンにものぼる。

琵琶湖にはホンモロコやニゴロブナなどの固有種が古来より生息している。どちらとも地域の伝統食品であるが、外来魚の増加によりこれらの在来魚が減少した。これは外来魚の生息域と在来種の産卵場が重なり、孵化した在来種の稚魚が食べられたためと考えられている。このように琵琶湖の生態系や地域の貴重な水産資源は外来魚により大きな影響を受けている。

近年は民間団体による釣り上げ活動や、滋賀県の施策として外来魚回収いけすや回収ボックスが設置されるなど外来魚対策への取り組みは進んでいる。しかし、よく琵琶湖に外来魚釣りにくるという参加者からは「外来魚が釣れるたびに回収ボックスを利用しようと思うが、怖くて入れるのを少しためらってしまう」という声も聞こえた。

回収ボックスには大量の魚が入っていて、ゴミを一緒に入れる人もいるため腐敗臭もするという。今回は、釣り上げた魚は回収ボックスに集めるのではなく、滋賀県内の障がい者施設で加工された後、堆肥として利用される。

今回のボランティア活動は、「エコ・ファーストin関西」9社合同での環境保全を広める活動として初の取り組みだ。エコ・ファースト制度は、「先進的で独自的かつ業界をリードするような事業活動」を行っている企業であることを環境省が認定するものであり、2008年4月に最初のエコ・ファースト企業が認定された。関西に本社を置く企業同士で、エコ・ファースト制度の認知度向上や、地域や企業の人々の環境への意識を広めていくことを目的に2013年から活動を進めている。

当日は参加者同士で釣りの方法などを教えあっていた。はじめて釣りをする人も多くの魚を釣っている様子が見られた。場所によっても良く釣れるところとそうでないところがあり、そういった情報も企業関係なく交換していた。

子どもたちも、普段は聞かない外来魚という言葉を聞いて分からない様子だったが、親に教えてもらったり一緒に考えたりしていてどこも賑わっていた。株式会社スーパーホテルの星山英子さんは「今日参加するまでは外来魚や環境のことも意識することがなかった。ボランティアに参加することで意識するきっかけになり、企業同士の交流も深まるので良い取り組みだと思う。」と話した。

エコ・ファースト企業9社
http://www.eco1st.jp/info.html?kind=1&company_id=1&author_id=67&id=96

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記者プロフィール

腰山夏未

腰山夏未

役職 : -
在学中 : 鳥取大学農学部(3回生)
出身地 : 大阪府大阪市鶴見区
誕生日 : 1991年9月3日
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