今年創業75周年を迎える総合金物工具商社の大都(大阪市生野区、06・6715・1162)。今月4日には、DIY工具やガーデニング用品など約33万点を取りそろえる法人や官公庁向け通販サイト「法人専用ホームセンター モノトス」を開設するなど積極的に事業を拡大している。通販サイト開設の理由や今後の事業展開などを山田岳人社長に聞いた。
――インターネット販売を開始するまでの経緯を
「先代は品物をホームセンターに卸していた。卸売りはメーカーから仕入れて小売店に卸すだけなので、付加価値をつけることが難しい。半面、年々ホームセンターの規模が大きくなるにつれ、価格など卸しに対する要求が厳しくなった。大手企業は、大量に仕入れるので価格を安く抑えられるが、当社の規模では難しい。そこで、お客さまに直接商品を届けようと考えた」
――2002年に通販サイト「DIYツールドットコム」を始めた
「当時はネットショッピングもさほど普及しておらず、当社が扱うような商品を販売する通販サイトは少なかったこともあり、商品は少しずつ売れていった」
――サイトが支持された理由は
「3つある。1つは24時間365日どこでも注文できるということ。買いたいものが決まっている場合、ネットで注文すれば、わざわざ店に行く必要がないので購入の時間を短縮できる。2つ目は、はしごなど車がないと運べない商品が家に届くということだ」
――3つ目は
「品ぞろえにある。ホームセンター20店舗分の商品を取りそろえ、お客さまニーズの多様化に対応できるよう、ペンチだけでも900種類もある。また、ネットショッピングなので、顔が見えない不安感を取り除くためにサポートにも力を入れている。廃番商品がある場合は、似た商品を提案できるようDIYアドバイザーを常駐させている」
――法人向けサイトが好評だ
「サイトの利用者の3割が企業や学校だったから開設した。とくに、要望が多かったのは、支払いを一括にすることと見積書を発行すること。学校の場合は予算の関係と、業者と購買担当者の癒着を防ぐため、2社以上で見積もりを取ることが推奨されている。企業の購買担当者にとっても、24時間見積書を発行できるため、急に見積もりが必要になっても対応できる」
「他にも、独自の電動工具保証を行っている。メーカーなどで購入した際、保証書がついてこないことを疑問に思ったことから、このサービスを始めた。私たちはお客さまに商品と便利を売るように心がけている。適正価格での販売や、必要な保証をすることで安心して商品を使ってもらい、自社とメーカーとお客さまの3者が平等な関係を築くことを目指している」
――今後の展開は
「『つくるたのしさを未来へつなげたい』という企業理念のもと、子供たちに物づくりの楽しさを伝える場をつくっていきたい。その一環として8月には、親子でウエルカムボードを作るイベントを開催する。ホームセンターなどで、売り場の制限上、置いてもらえなかった商品をサイトで取り扱い、DIYに関するものすべてを購入してもらえるサイトにしたい」
(学生通信社 関西大学 喜多元哉)
※「フジサンケイ ビジネスアイ」2012.6.18(西日本版)掲載
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