2012.05.15 10:56

独自の金型工法を開発

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記者:喜多元哉

 「社員全員が自分の能力を思いっ切り発揮できて、人生が充実していたと思える会社を目指して走り続けたい」と藤原義春社長(57)は語る。

35人の社員で電子部品を固定するプリント基板のプレス加工と金型の製造を行う。今までのプリント基板の切断面には、バリと呼ばれる糸のほつれのような物とホコリが残ったが、SAF金型工法を独自開発し、問題解決とコストの削減に成功した。近年は、ロボット開発にも力を入れている。

 全員が日報を記し、部署のリーダーが、毎日コメントを返す。藤原社長は1週間分を見て、社員の性格や仕事の進捗(しんちょく)の把握に努める。社内勉強会のテーマは作文や日常業務に対する姿勢など多様で、「10年後の私と会社」をテーマにした作文では「自社の工場を増設して犬のしつけ教室を開く」「介護の事業所を建てて社長の世話をする」と書いた社員も。いずれも社員の意識向上策で、「社員同士で夢を共有することで、会社、個人として今何をすべきかを考える。自発的に仕事をすることが、生きがいや働きがいにつながる」(藤原社長)。

 本年度の採用は中途も含めて5人で、来年度も前向きに検討中。1次試験がプラモデルの作成、2次試験が約10日間のアルバイト。社員との接し方などで合否を判断する。「実際に働き始めると面接時とのギャップがあることが多かった」(藤原社長)ためで、「仕事は想像して実際に体験し経験を積み重ねることが大事。広く物事を捉え、頭の柔らかい人を採用したい」(同)と語る。

 「熱い思いを持った中小企業と連携し、新しいビジネスを生み出し、八尾で暮らしたい、働きたいと思ってもらえる街にしたい」(同)街づくりにも積極的に関わっている。

(関西大学 喜多元哉)

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