2014.04.27 06:52

人との出会いで人生は変わる

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記者:穴吹美緒

株式会社鳥貴族(大阪市浪速区)は、全品280(税込294)円均一の焼鳥チェーン「じゃんぼ焼鳥 鳥貴族」を経営している。大阪や東京を中心に約330店舗を展開しており「世の中を明るくしていきたい」という理念のもと、お客様に満足してもらう店づくりを心掛ける。同社で働く、取締役人事部部長、山下陽(やました・あきら)さん(36)に学生時代の経験や、自身の使命について話を聞いた。.



=学生時代は何に力を入れていましたか..

アルバイトばかりしていました。.
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大学3年次に近畿大学法学部へ編入したのを機に、.
片岡達治社長が個人で経営する焼鳥店で働き始めました。.
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20連勤以上を経験し、昼夜が逆転することもしばしばありました。.
勉強が疎かになり1年留年してしまったほどです。.
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睡眠時間が3時間のときもありましたが、.
営業中にお客様と酒を飲みながら談笑したり、.
帰りがけに「ありがとう」と声をかけられたりするなかで、.
日々楽しさとやりがいを感じていました。.
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片岡社長に働きぶりが認められ、半年で学生店長に抜擢されました。.
店長になってから、仕込みの手伝いや店の売り上げの管理を任されるようになりました。...
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=ターニングポイントはいつですか..

まず、大学4年生のときです。.
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片岡社長が家に来られて、.
現在の店が鳥貴族と一緒になるかもしれないという相談をされました。.
社長に「山下くんはどう思うのか」と尋ねられ、.
学生であろうと店長として扱い、経営判断を聞く姿勢にほれ込んでしまいました。.
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他の飲食業界の企業に入ろうと思っていましたが、.
就職活動をやめ、片岡社長についていく決断をしました。.
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次に、鳥貴族の福井貴康店長との出会いです。.
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1999年に店名が鳥貴族に変わり、.
自分より5歳年上の店長から、鳥貴族の理念と行動とを結び付ける指導を受けました。.
「何のために」笑顔で接客をし、美味しい焼鳥をお客様に提供するのか、.
すべては焼鳥屋で世の中を明るくするためだと。.
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この指導のおかげで仕事に対する姿勢が変わりました。...
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=入社後で最も壁にぶつかったときは..

第三者の視点で会社を見るために、33歳で監査役に着任したときです。.
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店長やマネージャーといった人に頼られる仕事から、.
上司も部下もいない仕事になりました。.
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監査役の仕事を本やパソコンで調べながら月2回の役員会議に出席していました。.
会社としては実務だけでなく会社経営の勉強をさせたかったようです。.
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本来は昇進しておめでたいことなのですが、.
僕の場合は人から頼られることがモチベーションだったので、.
自分の存在意義が分からなくなってしまいました。.
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一時期は会社を辞めようとまで考えましたが、.
鳥貴族の大倉忠司社長に「山下君にはもっと視野を広げてほしい」と励まされました。.
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今振り返ると、.
監査役の経験があったからこそ、営業部に対する本社の役割を認識できました。.
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現在は人事部で、採用や教育、退職といった人に関わる仕事しています。.
週休2日制の導入など労働環境を整備し、飲食業界のイメージアップを図りたいです。...
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=働くうえでの使命と学生へのアドバイスをお願いします..

今まで培ってきた考え方を後輩たちに伝えることです。.
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たとえば、18歳のアルバイトの子は、36歳までの私の経験を知ることで、.
視野が広がり有意義な人生の選択をすることができます。.
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40歳を節目に、鳥貴族の社長を目指すか独立するかの決断をしようと思っています。.
上のポジションに就くことで、より多くの人に経験を伝えられるし、.
若い人に「アルバイトからでも若くして社長になれる」という希望を与えられるからです。.
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学生時代に同年代とだけ交流するのではなく、.
アルバイトやインターンシップを通じてさまざまな年代の人から刺激を受け、.
広い視野を持ってほしいです。.
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私はもともと警察官になるつもりでしたが、.
人との出会いを通じて今の仕事にたどり着きました。.
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どこに人生を変える出会いがあるか分からないからこそ、.
学生には一歩踏み出してほしいと思います。..

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記者プロフィール

穴吹美緒

穴吹美緒

役職 : -
在学中 : 大阪大学文学部(3回生)
出身地 : -
誕生日 : 1992年10月14日
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