2012.10.02 15:54

「エンツギウム」の山下智恵社長に聞く

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記者:木下あづさ

エンツギウム(大阪市西区)はデザイン事業や企画・メディア開発、プロジェクト運営を行っている。楽しい世の中にしたい、世の中を良くしたいという思いを大切にし、「お客さま」にとってのベストを提案し、発展の「お手伝い」をする。山下智恵社長に会社設立のきっかけやエンツギウムならではの考え方について聞いた。

皆が選択肢をもてる世の中へ

――会社設立のきっかけは

 「以前勤めていた広告代理店で仕事をしているうちに、お客さまの気持ちが分かるようになった。人にどうすれば喜んでもらえるのか、さらにその人の関わる人が何をすれば喜んでくれるのかが頭に浮かぶ。ある時、神様が『世の中を良くするために、やりたいことをやるべきだ。成功している姿が見える』と言ってくれたように感じた。『きっと成功する』ではなく『成功している』。将来が明確に想像できたことが重要だった。将来成功していると言われた限り、独立し会社を設立する以外に選択肢はなかった」


――事業内容は

 「媒体を限定しないデザイン業、メディア開発やイベント企画などのフルサポートが主だ。依頼に合った適切なデザインを提供し、発展するためのサポートをする。最近では最初のページから目を通してもらえるという紙媒体の特権を生かした、紙カタログを簡単にデジタルカタログにできる『bybook』や、写真館で写真を撮る習慣が薄れているからこそ、写真館で撮影された子供の写真のフォトコンテスト『キッズスタジオフォトコンテストジャパン』に力を入れている」

 ――活動の中で大切にしていることは

 「クリエイターの地位向上だ。インターネットが普及している世の中で、紙媒体を手がけるDTPデザイナーの地位が低下している。作り出しているのはクリエイターであるということを忘れてはいけない。もう一つ大切にしているのは、情報発信を通して選択肢を与えるということだ。例えば、服を買うときにいつも値段重視で買っている人がいるとする。その人に素材の良さや作り手の思いを伝えて、高い服にはそれだけの魅力があるということを知ってもらう。どちらを買うか、選択肢が広がる。お客さまに今までなかった選択肢を与えられるような仕事をしていきたい」

 ――エンツギウムならではの考え方は

 「お客さまとのWIN―WINの関係ではなく、関わる全ての人とWINが成立することを大前提に考えること。それが、経済全体が良くなることにつながり、楽しい世の中を作り出す。お客さまにとって本当に必要なことを考え、他社が適していると思えば紹介するし、依頼されたことが会社の利益に繋がるとしても、お客さまにとって良くないと判断したら仕事だからといっても行わない。解決策を導き出し、みんなが納得するまでとことん話し合うことを大事にしている。そうしてやっと依頼を引き受ける」

 ――今後目指すことは

 「『bybook』と『キッズスタジオフォトコンテストジャパン』の認知度を高めることだ。bybookはカタログだけでなく、エンツギウムが編集局となり世にもっと広めたいことをまとめた本の制作を考えている。そのような事業を含めたエンツギウムの活動でたくさんの情報を発信し、いろんなことを知ってもらいたい。流行やあるひとつの情報に縛られず、国民みんなが選択肢を持つことに繋がってほしい。その選択肢を得る場として、気付いたらみんなの目にいつも触れているような存在になることが、私の夢だ」

※「フジサンケイ ビジネスアイ」2012.10.1(西日本版)掲載

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記者プロフィール

木下あづさ

木下あづさ

役職 : 報道部
卒業 : ビジュアルアーツ専門学校マスコミ学科
出身地 : 長崎県
誕生日 : 1992年5月23日
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